ゲイとバイセクシャルだけの映画ではない!真の純愛映画ムーンライトの考察

ムーンライトブラック編

プロデューサーとしてアカデミー賞受賞作「それで夜は明ける」を手がけたブラッド・ピットが製作総指揮、上映前から話題の作品で見事第89回アカデミー賞で作品賞・助演男優賞・脚色賞を獲得した映画「ムーンライト」。

ムーンライトはゲイとバイセクシャルなど、LGBTを題材にした映画として初のアカデミー賞獲得作品ということでも有名になりましたがゲイ強く意識させることない美しい極上の純愛映画に仕上がってます。

ムーンライトのあらすじ

ムーンライトは、リトル(子供時代)・シャロン(少年時代)・ブラック(青年時代)の3部構成になっていてそれぞれの時代で主役をはじめ俳優が変わってくるので、まずはキャストから。

ムーンライトのキャスト

監督はバリー・ジェンキンス。

メランコリーの妙薬、ビール・ストリートの恋人たち、などアフリカ系アメリカ人をテーマにした作品が多いですが、特徴は映画の色調。

作品が扱うイメージによって寒色、暖色を使い分けていて、ムーンライトでは寒色で全体的に切なさを感じさせてくれます。

主要キャストはシャロン、ケヴィン、フアン、ポーラ、テレサの5人ですが、時代別の3部構成でそれぞれの演者が変わってきます。

シャロン(主人公)

ムーンライトシャロン1

  • リトル編はアレックス・ヒバート
  • シャロン編はアシュトン・サンダース
  • ブラック編はトレヴァンテ・ローズ

この3人が子供から青年のシャロンを演じていて、個人的には知らなかった俳優さんばかりですが皆目の演技が統一されてます。

ケヴィン(シャロンのパートナー)

ムーンライトケヴィン

  • 子役はジェイデン・バイナー
  • 少年はジャレル・ジェローム
  • 青年はアンドレ・ホライド

シャロンが心を寄せる相手でバイセクシャル。

フアン(シャロンの兄貴分)

少年時代のシャロンを支えるドラッグの売人で、演じるのはマハーシャラ・アリ。

ムーンライトフアン

同じくアカデミー賞を獲得した映画グリーンブックにゲイのピアニスト役として圧倒的な演技力を披露してることで知られていて、唯一知ってる俳優さんでした。

グリーンブックでは人種差別が根強かった1960年代を生きた上品で知的で清潔感が溢れるピアニスト役を熱演。

テレサ(フアンの彼女)

フアンの彼女でシャロンの母替わり。

シンガーソングライターや音楽プロデューサー、モデルとしても活躍してるジャネール・モネイが演じてます。。

ポーラ(シャロンの母)

シャロンの母、シャロンの孤独さを助長するダメな母親。

映画007シリーズに出演したナオミ・ハリスが演じてます。

第一部リトルのあらすじ

ムーンライトリトル編

舞台はマイアミの黒人のコミュニティ地区。

貧しい母子家庭に育つ無口で意思表示のリアクションをほとんどしないシャロン(あだ名はリトル)は、同じコミュティーに暮らす黒人の少年らからのいじめに遭い、苦しい日々を送っていた。

友人はケヴィンだけ。

そんなシャロンのもとにある日、麻薬の売人のボスをしていた救世主フアンが現れます。シャロンは兄貴分の存在を得て少しずつ口数を増やしていく。

第二部シャロンのあらすじ

ムーンライトシャロン編

高校生に成長したシャロンは相変わらず周りからいじめの対象だった。

麻薬の売人だったフアンの死後、シャロンは麻薬中毒に成り下がった母親を精神的な距離を取り、フアンの恋人だったテレサとの交流をつづけ、心の拠りどころにしていた。

友人は幼いころから変わらずケヴィンひとりだけ。

シャロンがいじめられてる一方、ケヴィンは同級生とのセックス体験を披露するなどシャロンにしてはかなり憧れの存在。

そのケヴィンとある日の夜、月明かりの輝く海辺ではじめて心と体を通わせた。シャロンとケヴィンはそれぞれに特別な感情を抱くけど、ある事件でシャロンが逮捕され離れ離れになる。

第三部ブラックのあらすじ

ムーンライトブラック編

刑務所から出たシャロンは、身体を鍛え、フアンと同じ麻薬密売人に。

新しい場所で生活をはじめ、いじめられていた過去が嘘のようにたくましい大人になったが、ある日ケヴィンからかかってきた電話で過去に戻る

施設で暮らす疎遠の母親に会いに行き、母親の謝罪を受け、その帰りにレストランで働くケヴィンと会う。

その後、ケヴィンの家に泊まりに行き、ケヴィンに本心を打ち明ける。

映画「ムーンライト」はジェンダーの枠を超えた普遍的な恋愛映画

主役のシャロンは、ゲイという設定ですが、LGBTの問題や障壁を必要以上に押しつけていない映画です。

シャロンは男性が好きなのではなく、性別の枠を超えて一貫してずっとケヴィンが好きなのです。

シャロンはケヴィンとの関係を一途に胸にあたためているだけで、ケヴィン以外に心を寄せる相手は出てきません。

そのためか、シャロンのケヴィンに対する繊細な感情や些細な愛情表現が作品によくあらわれていて、壮大ですべてを包み込んでくれる海などの情景とも相まって、独特の世界観を創り出しています。

シャロン編でのケヴィンとのラブシーン

ムーンライトラブシーン

シャロン編でシャロンとケヴィンが海辺でキスから射精までのシーンを含め、濡れ場のくどさが一切なく性別を超えた恋愛感情が海を背景にした寒色の映像美にあって一遍の叙情詩のようにも感じてしまいます。

一言で言えばひたすらに美しい男同士の絡みです。

このあとの帰りの車の中で、シャロンの感じたであろう戸惑いと幸福感は、画面を通じて伝わってきました。

ブラック編での告白(名シーン)

ムーンライト名シーン

出所後のシャロンがケヴィンの勤務先のレストランでシャロンがケビンに「昔も今も俺はお前だけを愛してる」と伝えます。

このシャロンの言葉に対するケビンの答えが

ジュークボックスで流す曲「ハロー・ストレンジャー」

“うれしいわ、帰ってきてくれたのね”
“何年ぶりだろう”

シャロン編でシャロンを裏切るような形になってしまったケヴィンの心、同じようにずっとシャロンを思い続けてきたケヴィンの心にぐっときます!

官能的要素はほぼないに等しく、オシャレで繊細で、人の内側の些細な変化をも行間で表現している丁寧で深い映画。

それが故に、ケヴィンがシャロンを好きになった時の性描写は薄かったのはちょっと残念。

ケヴィンは大切な役なので、ケヴィンのほうの情緒をもっと前に出してもよかったかもしれません。

ムーンライトがLGBT映画として初のアカデミー賞を受賞した理由とは

ムーンライトはゲイとか同性愛の愛をメインテーマにした映画ではなく、あくまでも1人の男の人生をテーマにしていて、映像の美しさや演技力を注目してみるとさらに楽しいかもしれません。

フアンとの海水浴のシーン、ケヴィンとシャロンの性描写シーン、など、シャロンの人生の分岐点や大きなできごとのたびに「海」の映像が出てきます。

壮大な海がシャロンの人生の問題や喜びや悲しみを包み込んで抱いているイメージを持ちました。

海の描写はシャロンが潜在的に求めたであろう「母親」への思い、切ない恋が現れてます。

 3人の“シャロン”の圧巻の目の演技

ムーンライトのすごみは3人のシャロンの目の演技ではないでしょうか?

シャロンとケヴィンは、幼少期、少年期、青年期をそれぞれ別々の3キャストで構成しているにもかかわらず、瞳の演技が、完全に年代も人物もちがう別々のキャストを同一化させているのです。

観ている方は、シャロンの成長を違和感なく受け止められました。

口数の少ない設定の主役のシャロンのセリフを最小限にすることで、非言語的なツールが際立ち、その結果、「言葉」や「メッセージ」を、より強く観客に発している作品だと思いました。

登場人物の少なさ、シンプルさの徹底

映画としては登場人物の少なさも特徴的だったと言えます。

シャロンを取り巻く人間関係。麻薬中毒の母親、唯一の友だち、そして恋愛対象でもあるケヴィン、シャロンの憧れ、希望、父なる存在となったフアン、そのフアンの恋人テレサ。

メインキャストはシャロンを含めてたった5人だけ。

登場人物をシンプルにすることで、それぞれの役に重みと幅と意味づけができているのではないでしょうか。

足していくのではなく、引いていく。すると本当に見せたいものをストレートに見せられる。

登場人物が少ないため、それぞれの情緒が画面いっぱいに広がっていた気がします。

特に私はフアン役のマハーシャラ・アリが好きで、先日彼が出たグリーンブックを観たばかりでした。

グリーンブックで見せた知的なピアニストの役と、ムーンライトで演じたフアンのボス的なオーラがあまりにもちがうのも驚きました。

両方、同じキャストによる人種の問題を彷彿とさせる映画でありながら、ここまでのちがいを出せるのはさすがです。

ムーンライトの考察・ネタバレのまとめ

ムーンライトは、人間の美しさ、強さ、やさしさを淡々と表現した極上の純愛映画です。

誰もが理不尽な思いをしながら生きている今の社会だからこそ、どんな立場の人にも多かれ少なかれこの作品に共感を得られるのではないでしょうか?

マイノリティについて描いてはいるものの、社会の大多数の共感を得られるであろうこの作品は魅力的です。

ムーンライトに貧困や差別、ドラッグやゲイに終始する映画ではありません。

むしろその枠を飛び越え、人の内側の宇宙に焦点を当てていることが感じられます。

社会の歪やジェンダーの問題、人種の問題ではなく、それを超えようとするシャロンの内なる成長に私は明日への希望を感じるのです。

いじめられていた傷だらけのシャロンですが、無口でありながらも、芯の強さ、心の丈夫さを持っていました。

それはフラウとの出会いによるものが多かったのではないかと、青年版のシャロンの服装や雰囲気を見て考察します。

もっとも気にかけてほしい幼少期に、シャロンはフラウとテレサに出会い、無償の愛を得た。

シャロンの折れないまっすぐさや素直さはフラウの残してくれた財産かもしれません。

フラウが幼少期にしか登場しないのも、引き算の賜物ですね。

ムーンライトの配信状況(無料でフル視聴)

ムーンライトを無料でフル視聴できるかどうか、2020年5月現在の動画配信サービスの配信状況は以下の通りです。

配信状況

2020年5月現在のムーンライトの配信状況をまとめます。

U-NEXT 配信中
Youtube 配信中
Google Play 配信中
Hulu 未配信
Amazonプライムビデオ 未配信
Netflix 配信中

ムーンライトはいくつかの動画配信サービスで配信されてますが、自宅で今すぐムーンライトを無料で鑑賞するならU-NEXTがおすすめです。

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